アスベスト (あすべすと)
アスベストとは、天然鉱物から採れる繊維のことで、日本国内ではこれまでクリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)の3種類が利用されてきました。不燃性や耐熱性、熱や電気の絶縁性、耐久性、耐腐食性に優れており、建物においては、1955年頃から耐火被覆材として吹き付けられたり、また、以降は建材として広く使われるなど、国内利用の9割が建設物関連で占められています。アメリカではその危険性について早くから指摘されており、WHO(世界保健機関)は、空気1リットル当たり5本のアスベストを1年間吸い続けると10万人に15人が中皮腫やじん肺などで死ぬ恐れがあると発表しています。そのため、アメリカでは1970年代初め頃から法規制が始まりました。日本においては、1975年に「特定化学物質等障害予防規則(特化則)」の改正による吹き付けアスベストの禁止、1980年には5%を超えてアスベストを含有する製品が特化則の対象となり、1995年には「5%を超えて」が、1%を超えるものに適用されるようになり、さらに2004年には、含有率1%を超える建材などの製品が製造禁止になるなど、官民による規制が実施されてきました。